
2025年9月23日
2025年9月22日、STEPメンバーの 清水駿太(しみずしゅんた)氏らによる症例シリーズ論文 「Ultrasound-Guided Exercise Therapy Targeting the Supinator and Its Radial Nerve Branch for Refractory Lateral Elbow Pain: A Case Series」 が国際オープンアクセス医学誌 Cureus に掲載されました。
本研究は、一般的に「テニス肘」として知られる外側上顆痛(lateral epicondylitis)のうち、 従来の治療(プロロセラピーや超音波下腱切開術)に反応しない難治例に対し、 橈側回外筋(supinator)および橈骨神経枝(radial nerve branch)を標的にした超音波ガイド下運動療法を実施したものです。
研究の概要と意義
3症例(20〜59歳、男女)において、逆Thomsenテスト(前腕回外位での疼痛誘発)が陽性を示し、 超音波で橈側回外筋の収縮不全と深部圧痛を確認。
動的超音波フィードバックを用いて、橈側回外筋の選択的収縮を促す再教育プログラムを実施。
約12〜18週の治療後、疼痛の消失とDASHスコアの大幅な改善(例:48→4)が得られた。
。本手法は、筋・神経レベルの再教育(neuromuscular re-education)を促進し、 過剰な伸筋群の代償収縮を軽減する点が特徴です。
臨床的意義
本研究は、従来の「腱付着部中心のアプローチ」から一歩進んだ、神経‐筋連関に基づくリハビリテーションの新しい方向性を提示しています。 特に「逆Thomsenテスト陽性例」では、橈側回外筋や橈骨神経枝の関与を示唆する臨床サインとして有用です。
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掲載情報
掲載誌:Cureus
発行日:2025年9月22日
DOI:10.7759/cureus.92970
著者:Shunta Shimizuほか