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【論文掲載】大学野球選手における内側インピンジメントに対する超音波ガイド下リアルタイム視覚バイオフィードバック:症例報告 ― Cureus誌に掲載

2025年10月13日

2025年10月12日、STEPメンバーの 我妻浩二らによる症例報告論文「Ultrasound-Guided Real-Time Visual Biofeedback for Internal Impingement in a Collegiate Baseball Player: A Case Report」が、国際オープンアクセス医学誌 Cureus に掲載されました。

本研究は、大学野球選手(オーバーヘッド投球を行う競技者)に発症した 肩の内側インピンジメント (internal impingement) に対し、超音波ガイド下でリアルタイムに視覚的バイオフィードバックを行いながら運動療法を実施した症例を報告しています。


主なポイント

  • 対象となった投手は、投球動作時に肩後上方部の疼痛を認め、MRIおよび超音波検査により内側インピンジメントの所見が確認されました。

  • 治療介入として、肩内旋位・アブダクション位・外旋位などの動作時に超音波を用いて腱・関節隙・骨端部の挙動をモニタリング。動作時に“どこが衝突しているか/腱がどのように滑っているか”を選手・理学療法士・医師がリアルタイムで観察しながら、フィードバックを受けつつ運動療法を実施しました。

  • 治療開始数週後には疼痛の軽減、投球数の増加、競技復帰が達成され、肩機能スコア(例:DASHやASES)も改善が報告されています。

  • 本報告は、静的画像ではとらえづらい「動作中の腱・関節・骨のリアルタイム挙動」に対し、超音波を“動的モニタリングツール”として活用し、運動療法の質を高める可能性を示しています。


臨床的意義

肩のオーバーヘッド動作を行う競技者において、内側インピンジメントはしばしばイメージ通りの構造損傷だけでは説明がつかないケースがあります。 本研究は、理学療法・スポーツリハビリテーションの現場において、超音波による“見ながら動く”評価とトレーニングの組み込みが、競技者の早期復帰および再発予防に有効である可能性を提示しています。


掲載情報

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